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●ローファーの歴史(2)--Church's velvet slipper

こんにちは。

今回は、トラディショナルシューズの母国イギリスです。英国のローファーの起源ついて見ていきましょう。
調べるさいに、まずは、靴好きのバイブル『Handmade shoes for men』(Lazio Vass&Magda Molnar ,2006,h.f.ullmann)から読んでいきます。

実は、この本を見ると「ローファー」という項目はありません。「Slipper(スリッパー)」という項目で紹介しています。「えー意外」、という感じもしますね。まずは、私が実在を確認できた一番古いタイプのイギリスのローファー(スリッパー)は、ベルベットスリッパということになりそうです。そこで、手元にあるチャーチのについて紹介します。

チャーチスリッパ1
IMG_8327.jpg

このシューズ、かなり前に入手したものですが、かなり状態も悪い。ですが、王冠マークから特別生産品の可能性もありますね。なめらかなベルベットなのですが、芯地はしっかりしていて型崩れしにく作り。
歴史をひもときますと、19世紀にアルバート公(ヴィクトリア女王の夫)によって、室内履きとして用いられたようです(HP「He Spoke Style」より)。フォーマルシューズではないので、普段の生活で用いられたのでしょう。

そして、次に「ローファー」の名が登場するのが、1926年です(出典は「日本版ウィキぺディア」)。当時の国王ジョージ4世がへ狩猟中の休憩時に使用する室内靴としてカジュアルなスリッポンを注文しました。発注したのは、ロンドンのワイルドスミス(Wildsmith)。

出典に出てくる「ワイルドスミスの歴史」(WildsmithのHP)では、靴は幾つかのモデルチェンジを行い、最終的に「ワイルドスミスローファー(Wildsmith Loafer) 」と呼ばれるようになった。その後、ロンドンの別の靴店でも同様な靴が「ハローウ(Harrow)」と呼ばれ扱われていたとのこと(Lewis, Neil、 The New York Times) 。

★ワイルドスミスwindsor-mocha-300x300

上がワイルドスミスのHPにある、「Winsor」というモデル。うーん、これ、本当に1926年に発注されたものかな? しかも、「ワイルドスミスローファー」という名前が怪しい(笑)。「ローファー」という名称自体、アメリカのネトルトン社が商標登録したものだからです。「伝統は作られるもの」という歴史学者の有名な言葉がありますが、アメリカ起源のものを模倣した可能性が出てきました。


ここで、袋小路に入ってしまいましたので、前回のノルウェイ起源の靴に話を戻していきましょう。ノルウェイに起源をもつAurland moccasinは、1930年代には、ヨーロッパ中に普及していったとのことです(日本版ウィキペディア)。
そこで、イギリスでノルウェイジャン(norwwgian shoes)と呼ばれる靴について調べてみました。広い意味で、「フロントが、下部のレザー上にヴァンプ=上部でかぶせられたタイプ」を呼びます。エプロンフロント、モカシンとも呼ばれています。(ちなみにノルヴェジェーゼというのは、イタリアのステファノ・ブランキーニが採用した出し縫いの方法を呼びます)。

ノルウェイジャンといえば、思い出すのは、そうあの靴です。エドワード・グリーンのドーバー(dover)ですね。そこで、ドーバーの年代を調べはじめました。(画像はshoehoricさんのHPから)
82829126.jpg

ところが、エドワード・グリーンの歴史というのが、よくわからない。以前、ラスト202について調べてもわからなかった記憶があります。

ところが、ネットサーフィン(死語ですね(笑))をしていると、ひとつの記事に当たりました。permanentstyle.comというサイトで、グリーンのハンドメイド・ファクトリーのツアーに参加された方の記事を見つけたのです。
そんな、ツアーがあるのですね。僕も行ってみたい……。

そのレポートで、「あるノルウェイジャンを縫っている光景を目にしました。これは、王立陸軍士官学校(Sandhurst)のもので、あの有名なエドワード・グリーンのドーバーに先駆けて造られた1930年代のモデルに基づいているのです。これは、エドワードグリーンの成立120年を祝ってのものです」という記事を見つけました。
グリーンの創立が1890年。この記事は、その120年後の2010年ころのものでしょう。
そして、1940年代の王立陸軍士官学校(Sandhurst)の靴が以下。
s-l1600Sandhurst1940.jpg

あまり、実用には向かなそうです(笑)。士官学校ですので、実戦でない場面では、装飾的な服装をしていたのでしょう。
ということは「ドーバー」は、1930年~40年代に、ノルウェイジャンをもとに作成されたのですね。


最後ですが、靴に関する専門家・飯野高広さんの、HP「オールアバウト」に掲載されていた記事を引用します。なぜ、グリーンのノルウェージャンはドーバーと呼ばれているのでしょうか。それは、ドーバー海峡の向こうフランスに由来があるとのことです。

「フランスではこの種の靴(エプロンフロント)は「シャッス(Chasse=お城)」などと呼ばれています。これは「狩猟」を意味する単語で、英語にすると”Chase”になるので、何となく想像できた方もいらっしゃるでしょう。
下記のパラブーツの靴の愛称は”Chambord”。これは16世紀のフランス王・フランソワ1世が、その狩猟のためだけにロワール渓谷に建てた、なんとも贅沢な城の名から採られたものです(この城は現在、世界遺産に登録されている筈です)。」

chamborda_noir_01.jpg

そこで、紹介されているのが上記です。かわいらしいカジュアルシューズ。
5万円ほどですが、最近パラブーツは、オールデンの地位をおびやかすほどの人気のようです。ぼってり感が確かにかわいらしい。まあ、オールデンが高すぎるんですけどね。

チャーチから始まって、なぜかパラブーツに終わったローファーの旅。次回は、主役のアメリカです。お楽しみに。
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