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●フローシャイム以前のアメリカ靴産業の世界(その2)

ひきつづき、『コロンブス以後のアメリカ産業の歴史-靴と皮革産業の発展 』(ジョージ・A・リッチ)を読んでいこう。

当時の「shoe journal」で、デビッド・ノックスは「1855年、靴の作業に機械が使用されている。アッパーのステッチ、革の剥ぐ過程、ソールをカットするのにソーイングマシンが用いられている」と述べている。機械化によって素早く作業を進めることができるようになったのである。
革のカットやアッパーのパーツの縫製に用いられたが、この時期のものは、いわゆるエポックメイキングなものと言い切ることはできない、とのこと。

著者によると、最初の大きなステップは、ソールとアッパーの縫製に用いられたことである。(以下の画像は、マッケイ製法と、グッドイヤー製法の機械。一番下はステッチルーム)
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1809年、デビッド・M・ランドルフは、ソールとヒールとインナー(の接着作業)を釘により迅速化させた。1810年には、マーク・I・ブルネルがソールを木型に留める作業などをレバーで行うようにさせた。
しかし、穴を空ける、靴の内部を釘で固定する(吊り込みだろうか)作業は、満足できるものではなく、釘が緩んでしまうのであった。
1851年には、釘着け(吊り込み?)におけるA.C.ギャラヒュー(Gallahue)による発明があった。革を剥ぐ、ソールに穴を空ける行程が改良され、釘を深く打てるようになった。
1858年には、ライマン・R・ブレイクが完全なマッケイ製法の機械を作った。あわせてチェーンステッチが可能になった。大量生産体制の完成である。

1861年の南北戦争下、ブーツと靴の需要は、安いグレードのものを求め、量は莫大なものだった。マッケイ製法はこの影響によるものだった。
「これらの機械化は、アメリカ靴産業の創造性の勝利であったといえる」、と著者は締めくくっている。 

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ここで、具体的な数字を紹介しよう。
レディースのポリッシュシューズのペアの値段は、1865年:2.25ドル、1868年:1.62ドル、1870年:1.37ドル、1875年:1.12ドルという具合である。
マサチューセッツ州の統計では、1845年:2089万6312ペア、1875年5976万2866ペアを製造したことになる。30年間に3倍の効率で製造することができるようになった。そして、このあと、ニューハンプシャーやメイン州でも注目され、工場が作られるようになる。

さらに1885年には、2344のプライベイトなブーツ、靴工場が6万6800人の職人を雇っていた。平均年収は、385.59ドルであった。22の企業が、2731名の職人を雇い、平均年収は417.06ドルであったという。これは、海外の職人とくらべ、かなり多いものであった。(およそ、イギリスやドイツの2倍であった。)
他の産業とくらべ、アメリカの靴産業がよく組織されていたことを物語っている。

では、ここで主要なシューメーカーの設立年と場所をみていこう。WIKIをざっとみたがぎりであるが、やはりというか、一番古いのは、ジョンストン&マーフィー。1850年にニュージャージー州のニューマーク(場所?)で開業。創立者のウィリアム・J・ダドリー(William J. Dudley)は、ヨーロッパ移民で、イギリスの学校で学んだ職人であったとのこと。トラディショナルな靴を製造していたので、機械化をどこまで計っていたかは不明。
そして1950年代の主役、フローシャイムが1892年にミルトン・S・フローシャイムによってシカゴに設立されたのは、皆さんご存じであろう。
さらに、 G.H. Bassも古く、ジョージ・H・バスにより、1876年にウィルトン(Wilton)に設立されている。また、オールデンもすこし遅れて、1884年にチャールズ・H・オールデンがマサチューセッツ州ミドルスブラに設立。

その他、アメリカの老舗企業を調べてみた。サイト「Founded When? America's Oldest Companies(いつ設立された? アメリカの老舗企業)」によると、キャスウェル-マッセイが1752年が最古。香水と石けんの会社。今もあるんですかね?
僕のしっている会社は、1818年のブルックスブラザーズくらいだった。さすがですね。

本書の最後に著者は、現在のアメリカ靴産業を鑑みてこう述べている。「現在、機械の操作はとても正確である。天才たちが、組み立てているのだろうか? 靴産業に考えを求めることは可能だろうか? そのような質問は不合理である。マッケイ製法やグッドイヤー製法の偉大なる始祖たちはどう考えるだろうか。」
きわめて冷静な分析でしょう(笑)。おっしゃるとおりです。
かなり苦しかったが勉強になりました。このあとは、ジョンストン&マーフィーについて調べれば、もうすこし、いろいろわかるかな。次への宿題です。
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コメント

tomojin329 2018/01/04 16:42  編集 URL

No title

しんのすけさん、
当ブログにコメント頂きありがとう御座いますm(__)m

私英語には疎いのですが、こちらの書籍はアメリカ旧靴好きとしてとても興味深いです。

ブログリンクの件、私のブログで宜しければ是非(^^)
私の方もリンクさせて頂いて宜しいでしょうか?

今後ともよろしくお願いいたします。
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