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2 コメント

●靴磨き選手権大会2023(東京予選)、レポート…続き




こんにちは。
靴磨きは好きなのですが、仕上がりはいまひとつという私です。
先週に引き続き、靴磨き選手権東京予選の続編です。合計32名が、黒のストレートチップを磨き、総合評価で二回戦に進出したのは、以下の猛者達。得点の高い順に、

①佐藤捗太(趣味)、②林田直樹(北海道のブリフトアッシュ)、③新井田隆(ブリフトアッシュ)、④折茂佳名人(万世橋)、⑤なかじまなかじ(歌舞伎町)、⑥須藤量(青森)、
⑦新庄海地(新橋)、⑧熊田圭一郎(渋谷の富ヶ谷)、⑨大平雄太(新宿のチェット)、⑩木嶋友和(前橋市)、⑪冨樫輝好(GMTファクトリー)、⑫鈴木友生翔(日本橋三越)



①IMG_5019

佐藤さん。道具を慎重にチェック
なんと、一位抜けが、趣味で参加された佐藤さん! この審査、最終的には(ブラインドで)靴だけみて採点しますので、こういったサプライズが起こるのかもしれません。プロを押しのけての1位はとても価値あるものと思います。このあと、奇数(A組)と偶数のB組に分かれて2回戦が行われます。

審査員1;プレゼンテーションを元に評価しましたが、最終的な仕上がりはほとんど差が無い。なので、「悪いところを見つける」かたちになっています。靴以外の所作とファッションを評価しました。
審査員2;グラデーションのかけ方が鍵。アマチュアの方が1位というのは、この競技の面白いところ。

そこで、2回戦の次なる靴はというと?

②IMG_5017

② ブラウンのダブルモンク
シェットランドフォックスのダブルモンク。大阪は黒のシングルモンクとローファーだったそうで、ここでもやや変化球の投入といったところでしょうか…。
さっそく、2回戦A組から紹介していきます。時間は20分。決して長くない。



■A組
佐藤捗太、新井田隆、なかじまなかじ、新庄海地、大平雄太、冨樫輝好

司会;どんなクリームを選んだかで差が出ている。最初、クリーナーで汚れを落としている方とそうでない方がいますね。先ほどの黒は、黒みの勝負。今回の茶は振り幅が欲しい。地の色をどう描くかでしょうか。
佐藤さん;サフィールのパリジャンブラウンを選択。直感で選びました
中島さん;コロンブスのダークブラウン
新井田さん;ダークブラウンとミディアムブラウン。複雑な色味を出したい
大平さん;焦げ茶と赤茶(焦げ茶を選んでいる方が多い)。ダブルモンクは依頼されることが多い
冨樫さん;明るめのクリーム。ハイシャインベースを使っている。いわゆる「水切り」で最後に光らせる
新庄さん;サフィールミラーグロス、ノワール、ブートブラックのカカオ。布で光らせます。ワックスを複数重ねて光沢を散らす
なかじまさん;短時間で仕上げるのが難しい。この靴はクリームをよく吸いますね。山羊ブラシを途中で入れてワックスをいったん冷やします


③IMG_5024

③  


④IMG_5037



司会;光らせるためのベース作りですね。テクニックとしては、全体を光らせるとバランスが悪いので、光沢感が鍵。

あっという間に20分間が経過し。プレゼンテーションへ。

大平さん;新品なのでケアを気にしました。ロウ成分がなく保湿メインのデリクリ+乳化性+ワックス


⑤IMG_5035

⑤ 指でクリームを入れる大平さん。手前、冨樫さん。
新井田さん;トゥの形状からミディアムブラウンにダークを足した。死ぬ気でやったので満足
なかじまさん;じんわりと一体的なシルエットを「自然の摂理」を意識して仕上げた。ドレスアップした靴。哲学的な表現
冨樫さん;つま先とかかとでハッキリと分けた


⑥IMG_5048

⑥ 繊細な手つきの冨樫さん
新庄さん;光らせるバランスを内側と外側で変えた。とりあえず光らせることを意識


⑦IMG_5043

⑦ 赤いクロスで光らせる新庄さん
佐藤さん;汚れ落としを入念にやった。革の本来の色を活かした。ハイシャインプライマーを最後に載せた。アマチュアでも出来るということを目指した。

さてさて、結果やいかに。
次ぎにB組の戦いを紹介していきます。
司会;B組はちょっと時間が空くのでさらに靴を替えます。スペインブランド・カルミナのストレートチップ。ややトゥがスクエアぎみ(鑿のみというか、チゼル)




■B組
林田直樹、折茂佳名人、須藤量、熊田圭一郎、木嶋友和、鈴木友生翔



⑧IMG_5072




⑨IMG_5076



司会;馬毛ブラシで汚れ落とししていきます。乳化性のクリームをどういうふうに入れるか? 下地づくりが大切ですね。
須藤さん;ネイビーを入れます。
木嶋さん;黒を入れます。オールブラックスです。光にこだわりを出せた。メリハリを出したい。木嶋さんは、指でゆっくり描く
熊田さん;より黒く、深く(会場の後ろでお母さまが手作り団扇を作成)。司会の田代さんが「ジャ●―ズ的な団扇ですね」と言ったあと、「今のスポンサー的に×ですね」と苦笑い
最後に山羊ブラシを入れます(他の人はそれほど使っていない)
林田さん;ワックスは黒とネイビー。ハイシャインプライマー(人工地盤)。*先日ロンドンの世界大会で優勝したので、ロンドン大会の価値を示せたと思います。ただロンドンには、今の八分の一くらいしか観客はいなかったそう。人気無いんかなあ
折茂さん;サフィールのグレーワックス。一回戦と基本は同じ。グレーで色のコントラストを出す。身体を鍛えて、体幹がぶれないようにしてます。
鈴木さん;サフィールの黒とネイビー、ミラーフィニッシャー。つま先がスクエアなので、グラデを変えた。*ワックスクリーナー(本来ワックスをのぞくための道具)を付けてポリッシュを付ける。これによって、ワックスを平等化できる

司会;みなさん、ワックスの量がとても少ない。少ない量を多層で載せるのがテクニック。ネル生地を複数使い分ける方もいます。水を吸わせて、水研ぎを最後に行う

20分が終わり、プレゼンテーション

須藤さん;メンテナンス(化粧水で栄養補給し、クレムでふたをする)。グレーでドレスダウンをねらった
熊田さん;黒くするために、クリーナーからクリーム(手で熱を与えてコンディショニング)。
ワックスは自然に光らせる


⑩IMG_5087


林田さん;BHでやっているように、つま先の光沢→サイドからへ。ネイビーのアーティストパレットを使った。ブリフトアッシュの言葉「世界の靴に革命を!」

折茂さん;ブラシ3種類を使って、保湿と外観を整えた。モゥブレイで革をやわらかくして細かいムラを防ぐ。ワックスはニュートラル(無色)とグレー。コントラストが出過ぎないように。
木嶋さん;全体のバランスを考え、かかとからつま先を光らせる。サイドにはカーブ描く。
ロウ成分が反射してしまうので、粒子をつぶして圧をかけて光らせる。普段は1時間程度かけるのでやはり難しい。時短のテクニックとしては、プライマーを沢山とって、ハイシャインクリーナーで溶かす、これを意識しました。


⑪4IMG_5082


鈴木さん;光が縦につきすぎないように、つま先を光らせて、キャップの元の部分の光を押さえる

そして、審査の結果は……、以下の6名。
おめでとうございます。さて、今年は誰が優勝するのかな……。


⑫DSC_0365




⑬DSC_0377

⑬ ダブルモンクがすごく光っている……

【審査員】8名
長谷川 裕也 →Brift.H
石見 豪→KINKOU(THE WAY THINGS GO)の代表取締役。靴磨き日本選手権大会 2018 優勝者
藤澤 宣彰→ローリウォネ 主宰
尾崎 雄飛→サンカッケーデザイナー
鈴木 理也→クリエイティブディレクター
斗谷 諒→フリーランスレザーマイスター

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コメント

ばし 2023/10/14 21:37  編集 URL

臨場感すごいです

しんのすけさん
お疲れ様です。凄い臨場感のある記事をありがとうございます。詳細な文書もそうですが、写真から皆さんの真剣味と緊張感が伝わってくるようです。作業台もひな壇みたいになってるんですね。大阪も盛り上がったみたいですが同じような雰囲気なんでしょうね。恥ずかしながら一度も観戦したことない完全に出遅れてる私としましては、出場者の数も含めこんな凄いイベントなのかとあらためてびっくりです。決勝の東京は行けそうにありませんが、次回以降はまずは大阪予選をマストで観に行きたいな。飯野さんの実物も観てみたい笑。
しんのすけ 2023/10/15 06:13  編集 URL

もうお付き合いです笑

   ばしさん

お疲れ様です。
この大会は2018年始まりなんですけど、若い靴磨き職人はたくさん出てきていて、たぶん大阪にも人気ある方たくさんいます。石見さんとか、すごい人気かと。
ただ、以前2000円以下で1足磨けたのが、まずまずお高くなっている模様。もしかしたら、くたびれたペアをケアしてもらうのが良いかもしれません。お客さんもまずまずいましたし、見てるだけでも楽しめますので、オススメです。
ハンズとか見てますと、以前ほどグッズ売れてない気もしますし、靴の趣味はハードル高くなってるのかもしれません。ばしさんにも、盛り上げてほしいですね👍 ではでは失礼します。
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