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●野口冨士男展に行って来ました。小説『巷の空』続き



こんにちは。
昨年は、作家・野口冨士男(1911―1993)の小説『巷の空』(田畑書店、2021)の世界にどっぷりつかってしまいました。
今の2022年段階ですと、なかなかご理解いただけないのですが、「戦前の靴製造について、戦前に書かれている文章」はとても少ないんですね。同じく作家の高見順が西村勝三について書いているくらいで、「戦前に靴製造について、活き活きと書かれている資料」がほとんどないので、アホみたいにワタシはこだわっているというわけです。

その後、ちょいちょい調べてみたのですが、断片的すぎて、文章化するのはむずかしかったです。
そんなとき、越谷市立図書館で野口冨士男に関する展示、「『暗い夜の私』の世界――文壇史と時代を甦らせる野口冨士男」について知りました。ここは車で1時間くらいですのでさっそく行ってみました。
なぜに越谷かというと野口が戦後ここに住んでいる時期があって、文豪の活動について勉強させていただきました。(残念ながら、この展示には靴の話題はなし)

その代わり、学芸員さんにお願いして、この文豪について、「本では無く、戦前の靴業界について聞く」というマニアックな行動に出たのでした(^_^)。
え、えーと、太平洋戦争期の野口冨士男の活動資料は、残念ながら非公開とのこと。『野口冨士男文庫24』という雑誌に一部、靴関係の資料が公開されており、いただいたものを掲載させていただきます。


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野口は、『巷の空』執筆にあたり、膨大な取材をしており、上記以外に、製靴の歴史を調べた原稿用紙25枚+5ページの資料が残されている。上は、5ページの資料の2ページ目。原料の革についてまとめています。


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抜粋しますと、名古屋・京都・兵庫の産地における問屋式家内工業によって産出。欧米において、修繕をのぞいて手工生産はまったく衰滅したのに比べてはなはだしく相違があるとあります。
【原料】底革・甲革・裏革の三種に分類。
【底革原料】渋鞣しした牛革を最も普通に使用。底革に渋鞣し牛革、クローム鞣し牛革、水牛革、コンビネーション鞣し牛革。中底に渋鞣し牛革、クローム鞣し牛革、水牛革、コンビネーション鞣し(渋とクロムの併用)。細革に渋鞣し牛革、クローム鞣し水牛革。
【甲革原料】底革が牡(オス)牛に対して、柔軟を要するため牝(メス)牛を用いる。
9割は鉱物性クローム鞣し。または、渋鞣し、コンビネーション鞣し牛革。
甲用革には、牛革(成牛、子牛)。舶来ボックス、舶来ウィロー、エナメル、キッド、レイヨウ、コードヴァン、馬革、鹿革、羊革、カンガルー、鮫、アザラシ、ダチョウ?等が使用されている。


IMG_4138.jpg

【裏革用原料】裏革用牛、馬、豚。
原料革は、我が国で産出されるものは極めて少なく、大部分は輸入。
米・印・独・豪から染色済みの鞣し革として輸入。日本で製造されるのは、下級ボックスや色革で、その原料の9割5分も、支那・米・満州・印から輸入。底革は完成品は米英から、原皮は支・米・英・満州から輸入。

このあと、【種類・製法】とあるので、ブーツやオックスフォードなどのスタイル、グッドイヤー、マッケイと製法について書いてあるのでしょう。

いつかこの続きを見てみたいと思います。タイミングを見て、この越谷市立図書館さんに取材したいですね。

日本軍の靴は、サイズが合っていないのを兵士が履いていたというような話をよく聞きましたが、そもそも、革は輸入に頼っていて、日本本土では原皮も生産してないようですね。戦争は靴で負けたという説もあるほどですが、ちょっといかんですね。

かなりマニアックな記事でしたが、いかがでしょうか(^_^)。また、機会があれば続きを書きたいと思います。
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