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もりおくしんのすけ

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7 コメント

●『2nd』の11月号を買ってみました。



こんにちは。
すみません、目の前の書きやすい記事に手を付けている関係で、後回しになっていた話題についてふれます。
9月発売の雑誌ですので、だいぶ時間が経っていますが、『2nd』11月号は「革靴からはじめる、秋ファッション」という特集で、伊勢丹靴博にもふれていますが、スルー(^_^)。

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以前にも、ふれたハロゲイトというブランドの松田哲哉さんが、「奥深き木型の世界。」という特集にふれています。
なぜ、ワタシがこの記事に食いついているかというと、木型目線で、靴のデザインや歴史について今まで書かれたことはほとんどない。すごく挑戦的な記事だなあと思います。

松田さんは100以上のブランドの木型製作に関わってきた木型職人。ここでは「日本一、木型に詳しい男」と紹介しています。「1950年代当時、すでに木型は完成していた」とあります。
ワタシの感覚ですと、もちろん1950年代には木型は出来上がっています。ただ、それ以前はどうだったのか? たぶん、1940年代のアメリカのサービスシューズは、量産とフィッティングを兼ね備えています。あと、1920年代にはオックスフォードシューズの原型は出来ていると思います(ただ、事例が少ないので、確認は不能です……)。
そういった、保留事項付きで、松田さんのご意見は間違いではないと思います。


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いきなり、記事に疑問符を付けてしまいましたが(^_^)、上の記事は興味深い。「知っておくべき”ローリング構造”について」。歩くときは、かかと→小指→親指の付け根→親指の先、というふうに重心が伝わっていくのだそう。
おそらく、この重心移動がスムーズに出来るラストが、その人に合っている靴をいうことになるのでしょう。勉強になりました。


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次は、「英米仏の木型の特徴。」
イギリス「実用とデザインのバランスをとったタイプ」、アメリカ「足形に近い実用タイプ」、フランス「最大限の実用性と美しさ」。
靴単体の美しさは、もちろん、イギリス靴が秀でていて、マンソンラストを生み出したアメリカは生産面も重視、フランス靴はベルルッティとかコルセイとかアーティスティックなタイプについて言っているのでしょう。
僕の考え方は、ちょっと違っていて、ラストの技術は19世紀のイギリスには出来上がっていたと思います。ジョンロブに代表されるハンドソーン靴のフィッティングと靴単体の美しさは、恐らく19世紀にはあったと思います。20世紀初頭から1960年代頃までは、アメリカ靴もハンドソーン靴の伝統を引き継いでいたと思います。


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「松田さんが衝撃を受けた木型。」
モディファイドラスト、マンソンラスト、50Sの英国製ラストを挙げています。


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細かいこと言って恐縮なのですが「(マンソンラストは)1940年代ごろ、マンソン博士によって開発された」とありますが、誤植です(^_^)。正確には第一次世界大戦のあった1910年代。
こういう間違いがあると、一気に信頼性が落ちちゃうなあ。


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「木型から見る松田さん的革靴チャート。」
図の上がドレス、下がカジュアル。右がローリング構造が強くて、左が弱い。

このページにある最初の文章に「木型がもっとも優れていたのは大戦前、大量生産が始まる前である。……それまでは、職人然とした職人たちが、よりよい木型を作るべくその腕をふるっていた。しかし、大量生産が始まって……手間のかからないセメントなど、ほかの製法に取って代わられることになる。」とあります。この部分を読んでいる限り、ほとんどワタシの認識と同じです。
最初の「1950年代当時、すでに木型は完成していた」という記事と矛盾していると思いますね……。あと、フランス靴のWESTONは、ローリング構造が弱い。これは、どういうことなのかなあ、ちょっとわかりません。

というわけで、ちょっと松田さんに聞いてみたいことがいろいろ出てきました。
ハロゲイトの靴も欲しくなったし、読み応えもありました。
個人的には、元Foster&Sonの松田笑子さんに意見聞いてみたいなあ。あとは、元チヨダシューズの寺田さんとか。
でも面白かった。さすが、『2nd』。また、良い記事があれば買いたいですね。



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コメント

カッタウェイ 2022/11/06 18:53  編集 URL

木型の記事

最近、新しい雑誌をあまり読まなくなってしまったので、こんな面白そうな特集を見逃してしまいました。

雑誌の木型特集、主に見た目に主眼を置いていたように思うのですが、ローリング効果(知りませんでした)、機能面からの解説は新鮮で面白いですね。

ブランド別チャート、同じブランドでも様々な木型があると思うのですが、おおまかな傾向としては大別できる・・ということなのでしょうか??

トリッカーズやサンダースは英国靴ながらUSタイプのグループに入っているのですね。バリーラストのほうがアバディーンよりドレス寄りとか、う~ん、私も色々解説を聞いてみたくなりました。
もりおくしんのすけ 2022/11/06 19:43  編集 URL

Re: 木型の記事


  カッタウェイさん

なんか、ツッコミたくなりますよね(笑)。
たぶん、松田さんは、背景までわかっていて、編集部に任せてるものかと。(無理やり記事にしてますね。)

> 最近、新しい雑誌をあまり読まなくなってしまったので、こんな面白そうな特集を見逃してしまいました。
>
> 雑誌の木型特集、主に見た目に主眼を置いていたように思うのですが、ローリング効果(知りませんでした)、機能面からの解説は新鮮で面白いですね。
>
そうですね。こういうふうに歩けると、ソールも正しく減って長持ちするのでしょう。

> ブランド別チャート、同じブランドでも様々な木型があると思うのですが、おおまかな傾向としては大別できる・・ということなのでしょうか??

おっしゃる通りで、エドワードグリーンも、ぼってりしてるものから、細いのまで色々あるはず。チャーチは比較的、ゆったりしてますね。
個人的には、ラストを国別に分類するのは難しいと思います(笑)。日本でも、REGALと大塚製靴では傾向違いますしね。

>
> トリッカーズやサンダースは英国靴ながらUSタイプのグループに入っているのですね。バリーラストのほうがアバディーンよりドレス寄りとか、う~ん、私も色々解説を聞いてみたくなりました。

サンダースは、ミリタリーラストを出してますから、ここに分類されてる。トリッカーズは、ぼってりしていてコバが出てるからですかね…。
でも、こうやってチョイ盛りあがりできるということは、まずまず面白い記事なのでしょう。また、木型で特集してほしいです。
ばし 2022/11/07 22:16  編集 URL

No title

お疲れ様です。
いやあ、こんな記事あったんですね。完全にスルーしてました。
おっしゃる通り今までにない切り口で斬新です。しんのすけさんご指摘の詰めの甘さ、折角の記事なのにもったいない気もしますが、それでもなお読みたくなりました。バックナンバー買えますよね?探してみます笑。
しんのすけ 2022/11/08 19:43  編集 URL

編集部の意向

  ばしさん

お疲れ様です。『2nd』はアマゾンでお安く買えます(笑)。
でも、この松田さんの記事、「あっ!」と思いました。60年代までのアメリカ靴って、安価なrobleeでもjarmanでも、革質もいいし、攻めて作ってますよね。それが、ガタッと70年代に落ちる……。極端だなあと。
イギリスって、チャーチとかクロケットとか真面目なメーカーでも最近でもがんばってるじゃないですか。ホント不思議ですよね。

ばし 2022/11/08 22:17  編集 URL

メルカリで買っちゃいました

お疲れ様です。AMAZONでもバックナンバー売ってるんですね。メルカリで見つけて、ポチってしましました。届いたら早速読みます!
ばし 2022/11/12 10:25  編集 URL

No title

こんにちは。
11月号、昨日届きました。あらためて、しんのすけさんご指摘の矛盾点を確認しつつも、今までにない切り口で勉強になりますね。ところで、92ページの「名作靴」、左下だけブランド名ではなく「50s製のハンドメイドシューズ」とあるのですが、これって60s製のフットジョイのように思えるのですがどうなのでしょう?ほんとは別の靴の写真のはずが誤ってこの状態??もしそうなら、本来どんな靴だったのか気になって・・・。細かなチェックばかりですみません。笑。
しんのすけ 2022/11/12 11:08  編集 URL

No title

  ばしさん

お疲れ様です。おっしゃる通り92ページに、あるハンドメイド靴、機械靴のフットジョイですね(^_^)。うーん、松田さんがハンドかグッドかわからないはずないので、編集部か「ハンドメイド」とかってにキャプション付けてしまっているのでしょう…。困ったな。

じつは、今日、僕がアップするのも、60’Sのフットジョイというシンクロ!
ばしさん、お持ちかもしれませんが、いわゆる鷲鼻が独特なんですよね。

ではでは引き続き。

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