fc2ブログ

ヴィンテージシューズ、古着、本を紹介するブログです。

プロフィール

もりおくしんのすけ

Author:もりおくしんのすけ
FC2ブログへようこそ!
ヴィンテージグッズ好きアラフィフが、モノと本を紹介するブログです。

2 コメント

●シューズ メダリオンの世界……その2



こんにちは。
先週に引き続き、シューズのメダリオンに迫っていきたいと思います。


fl37-pg11935年2

イギリス靴、アメリカ靴のメダリオンは数あれど、具体的な「ピカデリーブローグ(piccadilly brogue)」という名前はほとんど出てきません。1935年のフローシャイムのカタログに出てくるこのメダリオンの靴は、どういう意味があるのか? このブログは、歴史ブログなのでその起源に迫っていきたいと思います。

このメダリオン、よく見ると③クロケット・ジョーンズと同じ形をしています。(そして、よーく見ると、④トリッカーズと⑭オールデンも近い……)


③一筆書きバタフライIMG_8566

形を分解しますと、一筆書きのように、弧を描いて三つ葉のクローバーのような紋章に見えます。


IMG_2415.jpg

実は、このクローバータイプ、靴の教科書ともいうべき、VASSの『Handmade shoes for Men』にブローグシューズの章でこの模様が出てくるんです(上)。ほとんど同じなんですよね。
それくらい、オーソドックスな形なら、どのメーカーのものが起源なのかわかるかな? と思いまして、「piccadilly brogue」でググってみたら、すぐに出てきた!


piccadilly61382detailoriginal89077.jpg

トリッカーズのブローグシューズで、モデル名「piccadilly brogue」。ナイスです。ただ、これバタフライタイプ。うまくいきませんね。
そんなに有名なの? と思ってトリッカーズの古いカタログを検索したのですが、実はあんまりうまくヒットしません。いつ頃からあるかははっきりとしない。


trickers_history_04.jpg

トリッカーズのHPに出てくる戦前と思われるカタログがこちら(↑)。ちょっと、ブローグがはっきりしません。



1928CLviGNaWgAI0GmW.jpg
もうひとつヒットしたのは、「Elthea」(エルセア?)というブランド名で、1928年にトリッカーズが作ったのが、このタイプ。
うーん、よく見るとたぶん渦巻きの方向が違う……。これは、現行の「ピカデリーブローグ」とは違いますね……。
フローシャイムのピカデリーブローグ=現行のトリッカーズのピカデリーブローグにはならないですね。


1925ピカデリーブローグs-l1600

もう少し調べて見ましょう。次にヒットしたのが、アメリカブランドSelzの「ピカデリーブローグ」(1925年)。ちょっと、わかりにくいんですが、右下のラインに書いてあります。でも、これ外羽根だし、フローシャイムのものとは、全然違う。


1938『LIFE』picadilly brogue0011

1939『LIFE』picadilly brogue0021


次にヒットしたのが、Taylor-Madeというボストンのブランド(両方とも『LIFE』上1938、下1939)。こちらは内羽根で、思いっきり「ピカデリーブローグ」と書いてあります(笑)。ただ、これもバタフライタイプ。アメリカでは圧倒的に蝶々が強いな。
ちょっと行き詰ってしまいました。

そこで、次に考えたのが、「フローシャイムの言うピカデリーブローグは、ロンドンのピカデリー地区で作られたブローグシューズのことなのでは?」 と思い始めました。



ちょっとややこしいのですが、有名靴店がひしめくジャーミンストリートは、実はピカデリーストリートの隣の通りなんです。ですので、トリッカーズやチャーチ、クロケット&ジョーンズなどで作られ始めた都会的なブローグシューズを、ピカデリーブローグと呼んだのかな……と思い始めました。


ジャーミンストリート1

そこで、もう一度、トリッカーズのHPに戻ってみます。
各モデルをジャンルごとに分類しているんですね……。そして、「ピカデリーブローグ」は、「タウンシューズ」のコーナーにありました。


norfolk6463detailoriginal89092.jpg

よく見ると、同じタウンシューズに「ノーフォーク ブローグ」というモデルもあります。残念ながらこれも、メダリオンはバタフライタイプですね。
有名なバートンなどは、「カントリーシューズ」に分類されています。
トリッカーズ社では、同じブローグシューズでも、いかにも都会的なピカデリーは他のカントリーシューズとは明らかに違う扱いにしているんですね。コバの張り出しなどが少なく、内羽根で6アイレット。チャーチのチェットウィンドに似ています。

というわけで、いろいろ調べましたが、メダリオンの名称から「伝統的なメダリオンはどれか?」という問いには残念ながら答えられませんでした。
ただ、元々カントリーシューズだったブローグが、ドレスシューズに変貌していく過程は読み取れたのではないでしょうか? 1920年~30年代に、アメリカのメーカーがドレスシューズとして売り出すときに、「ピカデリー」という日本で言えば銀座?のような洒落たモデル名を付けたとしてもおかしくないかな……と。

もっと調べると、個別のメダリオンやブローグの歴史に迫れるのかもしれませんが、今日はここまでにいたしましょう。
来週は、アメリカのメダリオンについて迫ってみたいと思います。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

ばし 2021/01/30 22:37  編集 URL

No title

こんばんは。
アンノウンなやつを度々拾ってきてしまう身としましては、メーカーや年代判別の手掛かりとしてのメダリオン、って、どなたか纏めてくれないかとずっと思っていたんです!自分でやろうかと思ったものの・・・無理です笑。個人的感想としましては、この大役はしんのすけさん以外にないような。未着手未踏の領域にぜひとも光をお願いします!
しんのすけ 2021/01/31 09:32  編集 URL

コメントありがとうございます

ばしさん

お疲れ様です。メダリオン、これまであまり気にして来ませんでしたが、アメリカ靴は、ある傾向があります。(このあたり、ビスポークを中心に進んできたイギリスとは違いますね…。)

ユニオンワークスさんが、いろいろ集めてますので、参考にしてみてください。

http://unionworks.blog118.fc2.com/blog-entry-1519.html

いやあ、でもアンノウン靴を特定する材料にはならないかも、です(笑)。
金型で穴を空けてたらいいんですけど。
(ばしさんの記事もみてますが、ちょっとわからないです。😣💦⤵️)

ではでは、失礼します。
非公開コメント